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糖尿病は自己管理が大切

正しい食事と運動でリスクと付き合う

糖尿病患者とその予備軍は、日本人成人のおよそ4人に1人!

 糖尿病とは、血液中にあるブドウ糖を下げるホルモン「インスリン」の作用が低下し、血糖値が上がる病気です。糖尿病には主に1型と2型の2種類があり、1型は、インスリンを産生する膵臓の細胞が破壊されてインスリンを生成できなくなる病気で主な原因は自己免疫機転と考えられています。2型は、過食や運動不足、肥満、ストレスなどによるインスリン抵抗性(インスリンの効き目が悪い事)と、遺伝的な基盤を持つインスリンの分泌低下がさまざまな割合で組み合わさっておこるいわゆる生活習慣病です。日本国内には、平成19年時点で約2210万人の糖尿病患者とその予備軍がおり、そのおよそ9割が2型糖尿病だと言われています。また平成23年度の厚生労働省の国健康栄養調査によると日本人成人の約4人に一人は糖尿病もしくは予備軍と言われています。
 糖尿病で怖いのは合併症です。網膜症、腎症、神経障害の糖尿病性三大合併症のほかにも、身体にさまざまな症状が現れます。ただ、万が一糖尿病と診断された場合でも、普段から食事療法や運動療法、必要に応じた薬物療法を続け、血糖値をうまくコントロールして合併症に注意すれば、正常な人と変わらない生活を送ることが可能です。


適度な運動は、カロリー消費のほか
インスリンの効きをよくする効果が!

 糖尿病の予防は、食事療法です。ただ、最近流行りの低糖質を含めた特殊なダイエットは、やりすぎると危険を伴う場合があります。あくまで大切なのは、極端な偏りを避け、バランスのよい食生活を心掛けることです。
 また、予防には運動も大切です。日本人の平均摂取カロリーは2000年頃からほぼ横ばいですが、一方で運動量は減少しています。運動にはインスリンの効きを良くする作用があり、この作用は、運動後2~3日は継続すると言われています。そのため、週に2~3日以上、20~30分程度の軽度から中程度の運動を食後に1日2~3回行うのが理想です。また、運動時間をまとめて取りづらい方は、万歩計を取り付け、1日8000~1万歩を目安にこまめに歩くように努めてください。

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食事量などを理解するためはじめは教育入院を

news61-p6-1.jpg糖尿病・内分泌科部長
稲垣 朱実

 当院の糖尿病治療は、入院と外来の両方で行っていますが、初めて糖尿病と診断された患者さんには、できれば教育入院をお勧めしています。例えば、「1日1600キロカロリー」と栄養指導を受けても、すぐに理解するのは難しいものです。その点、教育入院であれば1日の摂取カロリーに合わせた食事が出てくるため、実際の食事を実感することができます。また、入院時に糖尿病患者同士で情報交換をしたり、一緒に頑張る友人を作っていただく機会にもなります。

状態を悪化させないよう時には早期の薬物移行も

 実際には仕事や家庭の事情で入院が難しい患者さんも多いため、外来での治療にも力を入れています。基本は食事療法と運動療法。食事療法では、栄養士による指導を実施、運動療法では、歩行やラジオ体操などの手軽な運動を取り入れるところから指導しています。
 食事と運動での改善が難しい場合は薬物療法を行います。なかには薬物療法への拒否感が強い患者さんもいますが、一定期間の基本療法でも効果がない場合、早めに薬物療法へ移行する必要があります。血糖値が高い状態が続くとインスリンの分泌が低下したり効きが悪くなるなどして、最終的にさらに多くの薬が必要になり、また、その間に合併症が進行しかねないからです。この点については、患者さんにもあらかじめご理解いただければと思います。

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